甘口日本酒を知らないなんてツメが甘い!こんなにも奥が深い甘口日本酒の世界。

甘口日本酒を知らないなんてツメが甘い!こんなにも奥が深い甘口日本酒の世界。


1

最初に飲んだ日本酒がなんという銘柄のものだったかは忘れましたが、初めての日本酒の印象は「辛っ!舌がピリピリするなぁ」でした。

日本酒の味を知らない若造は、これが日本酒というものの味なんだ!という間違った認識を持ったせいで、それ以降日本酒を飲むことを避けていました。

1980年代に起こった日本酒辛口ブーム

ビールの辛口人気と相まって淡麗辛口がもてはやされた時代、甘い酒=質の低い酒という認識が広がった時代、おそらく私が一番最初に飲んだ日本酒は、このようなブームをもろに経験した年配者から勧められた酒だったのだろうと思います。

日本酒は辛いものもあれば甘いものもあるということを知ったのは、それから幾年も経ったある日の職場の飲み会でした。自分よりも年の若い後輩の女性が日本酒を美味しそうに飲んでいたわけです。

「あれ、さっきまで甘いカクテルを飲んでいたはずなのに」。

不思議に思った私は彼女に声をかけ、その日本酒を飲ませてもらったのです。

甘い。旨い!

これまで日本酒は年配者の飲むお酒だと、甘いものが好きな私には合わないお酒だと思って飲むことを避けていたところの、まさに青天の霹靂だったわけです。

そこから私の中の日本酒ブームが到来、いろんな日本酒を飲むうちに甘い酒だけでなく辛い酒も美味しいと感じるようになり、今では私の身体は日本酒でできていると言っても過言ではないほどになりました。

日本酒はビールのように飲む機会が多くないため、ファーストインプレッションで今後飲み続けるかどうかが大きく変わってしまうお酒です。

もちろん辛口の酒を飲んで旨い!と感じる人もいると思いますが、私のように普段は甘いものが好きという方は、とりあえず甘い日本酒から飲み始めてみましょう! …と言っても、どの日本酒が甘い酒かわからない!という人が多いと思いますので、ここでは甘い酒かどうかを見分ける方法、そしておすすめの甘口日本酒をご紹介していきます。

本当にこれが日本酒!?という変わったお酒もありますので、ぜひご参考ください。

画像参照元:服部みれい

甘口の日本酒を見分ける方法!甘口日本酒は大きく二つ

2

酒屋さんで日本酒を購入する前、もしくは居酒屋で日本酒を注文する前に試飲や味見をするのは日本酒に限らず難しいことですが、日本酒の味はボトルに貼ってあるラベルから推測することができます。その時に重要となってくるのが「日本酒度」と「酸度」という二つの数値です。

  • 日本酒度
    日本酒度は、その日本酒が甘いか辛いかを大別するための数値となります。日本酒度では糖分が多いものをマイナスで表し、糖分の少ないものをプラスで表します。多くの日本酒は
    +6=大辛口

    ~-6=大甘口
    の間で表されるので、これを目安に甘い、辛いを見分けてみましょう。
  • 酸度
    酸度はその名のとおり酸味「すっぱさ」というわけではありません。日本酒には乳酸やリンゴ酸などいろんな酸が含まれており、それらの酸がどれだけ入っているかを指します。酸が多いほど濃厚な口当たりになり風味としては辛く酸が少ないほど淡麗、つまりキレのある口当たりで甘口のものが多くなります。

上記の二つを参考に日本酒の味を予想していくのですが、どちらか一方だけを満たしていても、もう一方が大きく外れていると辛口に近くなったりします。おおよその大別ですが、

  • 酸度1.5以下、日本酒度+1以下淡麗甘口
    甘口だがさっぱりしていて、ふんわりと広がるまろやかさが特徴。
  • 酸度1.5以上、日本酒度-1以下濃厚甘口
    舌に絡まるようなまろやかさと深いコクを感じることのできる甘さが特徴。

となります。酒米や製法によって多少上下はしますが、おおよそ上のような基準で選んでもらえると、甘い辛いを見分けることができます。そのため、かなり甘めのものが飲みたい人は日本酒度がより低いものを選び、大人の甘さを求める人は0~-2までの間で探してみるといいでしょう。

私の場合は、食前や食中酒として飲む場合には淡麗甘口ですっきりと、食後のデザート代わりに飲む日本酒は濃厚甘口でまったりと、という飲みわけをおこなっています。もちろん辛口の日本酒も飲むんですけど、塩分の効いたおつまみは「スイカに塩」理論で甘さをさらに引き立たせてくれるため、辛口よりは甘口の日本酒を飲みたくなりますし、食後のデザートに甘いものやフルーツをいただくときもやっぱり辛口よりは甘口が合いますね!

また、気分によっては炭酸で割ってシャンパン風にしてみたり、リキュールを少し混ぜてフルーツの香りをつけてみたり、また果肉や梅肉を入れても日本酒は美味しくいただけるのでおすすめです。

甘口日本酒のすすめ!押さえておきたい甘口日本酒

6

さて、唐突に日本酒を飲む機会、買う機会が合った時にラベルから見分ける方法について見ていきましたが、これから甘口日本酒を飲みたいんだけど、どれを飲めばいいのかわからないという人に向けて、おすすめの甘口日本酒をご紹介していきます。日本酒の良し悪しを決めるのはあくまで個人の舌なので、一概にすべての人に当てはまるわけではありませんが、参考にして頂ければうれしいです!

村祐

3

甘口日本酒の代名詞とも言える日本酒が村祐酒造の日本酒「村祐」です。ワインのような上品な甘味なんですが結構強い甘口なため、知らずに飲んだ人はびっくりすることでしょう。日本酒度、酸度等は基本的に非公開になっていますが、食中酒というよりは食後のデザートとして飲むのに適した日本酒ということは間違いないでしょう。

無濾過本生にこだわった日本酒を多く造っていますが、『村祐 「夏の生酒」吟醸生酒 淡麗甘口』など、夏をコンセプトにした村祐もおすすめです。

画像参照元:カネセ商店

三芳菊 特別純米 阿波山田錦

4山田錦を使った日本酒は特有のフルーティーな香りを醸し出し、米の甘味を感じるものが多いですが、こちらの三芳菊は蜂蜜のような強い甘味が口いっぱいに広がります。村祐と同じく、甘いものが好きな人にはまさにストライクゾーンという味ですが、甘い飲み物とご飯は一緒に食えない!という人にはちょっときついと思います。食前、食後に飲みたい日本酒ですね。

ラベル上では日本酒度+3、酸度1.3ほどなので、一見するとそこまで甘口の酒には思えないと思いますが、一口飲んだらわかります。騙されたと思って飲んでみて!お洒落な二次元のイラストも若い女性には人気です(もちろん私も好きです)。

三芳菊 特別純米 阿波山田錦 直汲み 無濾過 生原酒
徳島 三芳菊 阿波山田錦特別純米無濾過生原酒袋しぼり

画像参照元:三好屋酒店

宗政 純米吟醸 -15

5

佐賀県の酒造である宗政酒造の『宗政 純米吟醸 -15』は、その名のとおり、日本酒の中でもトップクラスに日本酒度の低い-15となっています。ここまで日本酒度の低い日本酒はそうそうないので、ぜひ一度飲んでみていただきたい。純正の甘さがそこにはあります。 とは言いつつも、甘ったるいわけではなく、口に広がる甘味は優しさを含んでおり、一杯だけでいいや!というよりは、その後味からくる「ちょっともう一杯飲みたいなぁ」と気付けば手が伸びてしまっているというタイプの日本酒です。

私は食中酒としても飲むことができました。ちなみにこちらの「宗政 純米吟醸」は2015年度のワイングラスで美味しい日本酒金賞を受賞しています。

画像参照元:ありたさんぽ

十四代 純米大吟醸 龍の落とし子

9

今や幻の日本酒と呼ばれている十四代。その魅惑の旨さと希少価値とが相まって、一本50万円以上の高値で取引されているというまさに幻の日本酒です。その十四代の中でもお求めやすく、手に入りやすい『十四代 純米吟醸 龍の落とし子』は、ファンも多い「美山錦」を使った日本酒で、メロンのようなバナナのような、まるでフルーツをそのまま嗅いでいるような香りが鼻から入って口の中に広がります。

こちらも日本酒度+2とやや辛口の部類に入るお酒ですが、このお米の芳醇な甘味が上手に旨みとなって押し寄せてくる、まさにそんな味です。

画像参照元:味山海日記

ちょっとかわった甘口日本酒

1

日本酒には甘いものと辛いものがあるということはわかっていただけましたが、実は日本酒はさらに小さくその種類を分解することができます。それが貴醸酒スパークリング日本酒です。そしてこのどちらもがデザートによく合うような甘い日本酒なんですね。

スパークリング日本酒はその名のとおりシャンパンのような炭酸が入った日本酒とわかるのですが、貴醸酒についてはあまり聞きなれないという人も多いかと思います。 貴醸酒について、詳しくは『貴醸酒って知ってる?高級日本酒「貴醸酒」の味わい、美味しさの秘訣について』を参照していただきたいのですが、ようは高級版日本酒、その昔、ワインやシャンパンではなくおもてなしできるくらい高級な日本酒を造ろうということで生まれた日本酒です。

日本酒にあるまじき琥珀色をした日本酒であるのが特徴で、そのまま飲むだけでなくバニラアイスなどの上にかけても味わうこともできると、甘い日本酒をお求めならばぜひ味わっていただきたいのが貴醸酒です。 ちなみに貴醸酒は日本酒度-30~-50という驚きの数値となっています。

おすすめの貴醸酒については、上記にも貼った『貴醸酒って知ってる?高級日本酒「貴醸酒」の味わい、美味しさの秘訣について』で紹介しており、おすすめのスパークリング日本酒についても『日本酒を始めるのには最適!女性にも人気のスパークリング日本酒おすすめ7選』でご紹介していますので、こちらをご参照くだい。

以上、甘口日本酒についてのまとめでした。辛口こそ日本酒だと言われた時代も終わり、現在では本当に多種多様な日本酒が生まれています。単純に甘い、辛いだけではないのはもちろんのこと、シーンやシチュエーション、この料理にはこれ!というほど、細かく味の違いが顕著に出てきています。 辛口の日本酒だけでなく、甘口の日本酒も極めることによって、さらに日本酒の幅を、日本酒の持っている可能性を広げていきましょう。


必須お名前
必須メールアドレス
必須メッセージ本文