日本酒の美味さは作り方で決まる!日本酒がこのようにして造られている!

日本酒の美味さは作り方で決まる!日本酒がこのようにして造られている!


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画像参照元:公明

日本酒は日本が世界に誇る、日本独自の文化です!

ということを伝えたくて、日本酒に関するあらゆることをご紹介してきたここSakeviva。当記事でようやく記念すべき100本目を迎えました!

そこで!今回取り上げるテーマは、満を持して「日本酒の作り方について」!です。

だいぶ今更感が強いですが、100本目を迎えた今回だからこそ、基本に立ち返って

普段私たちが飲んでいるあの美味しい日本酒がどのようにして生まれているか学びつつ、酒造りに関わっている方に改めて感謝をしましょう!

というメッセージを込めるために、このタイミングでこの記事を出すわけです(完全に忘れてました)。

 

日本酒は米、水、米麹と、たったこれだけの原料で様々な風味、香りを醸し出します。国内で販売されている日本酒は、その数なんと20,000種類と言われていますが、たったこれだけの原料のみでこれだけの違いを生み出す秘訣は、やはり作り方に隠されているわけです。

基本的にはどの蔵も同じ原料、同じ作り方で日本酒を作っているのですが、一つ一つの行程の中で蔵独自のこだわりを込め、その思いの深さ、そして目指す日本酒像の違いによって、少しずつ作り方も異なってくるのです。

 

ということで、ここでは日本酒の基本的な作り方を見ていきながら、一つ一つの行程で見られるこだわりについてまとめていきます。山廃や生もと、生詰など、聞き覚えはあるけどちゃんと理解できていない日本酒用語のほとんどは、作り方の違いからきていますので、合わせて学んでいきましょう。

1.玄米から精米へ

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画像参照元:日本酒の出来るまで

では、早速日本酒の作り方について見ていきますが、まずは日本酒の原料となるお米の下処理からです。

私たちが普段食べているお米もそうですが、日本酒を造る際には玄米ではなく精米したお米を使います。しかしながら、食用のお米よりも削る割合が大きく、最終的には上記の写真のように丸い形になるまで削ります。

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その理由としては、お米ひと粒ひと粒は外側にタンパク質中央にでんぷん質を持っていますが、このタンパク質が日本酒を作る際に雑味を与えてしまうから。

そのため、できるだけタンパク質部分を削ってでんぷん質のみを使用するのですが、削れば削るほどお米は小さくなりますし、一粒のお米を50%まで削るのに約50時間かかると言われています。

削れば削るだけ美味しくなるけれど、コストや労力を考えるとすべての日本酒に同じような手間暇をかけるわけにはいきません。

そのため、多くの酒造では、お祝いやちょっと贅沢したいときのための高級酒(大吟醸)から、仕事終わりや夜ご飯と一緒に飲める本醸造や普通酒まで、いろんな品質の日本酒を造っています。精米歩合の違いによって日本酒は名称が以下のように変わりますが、

  • 大吟醸50%以下
  • 吟醸 =60%以下
  • 本醸造70%以下

お米によっては、でんぷん質が大きかったり、でんぷん質の中でもさらに甘味を持っている心白の大きさ、または有無によって、あまり削らなくても旨みが出やすいもの、また甘味を取り出しやすいものなどがあります。

このように、日本酒の原料となるお米のことを酒造好適米と言います。有名なところで山田錦や五百万石、雄町などがありそれぞれ味や風味に違いがありますが、栽培に適した気候や条件などもあるので、各酒蔵では自家栽培するところ、米どころから取り寄せているところ様々です。

使う米の種類、精米歩合によって日本酒の味が大きく変わってきますので、購入の際にはぜひラベルを注目していただきたいです。

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酒造好適米については『日本酒ツウはここを見ている!あなた好みの日本酒がわかる酒造好適米の違いとは!?』もご参照ください。

2.洗米→浸漬→蒸米

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精米を終えたお米には、表面にぬかやちりなどのゴミが付着しているので、綺麗に洗っていきます。

綺麗に洗い終えると、そのまま「浸漬」、つまり、お米を水につけて米一粒一粒に水分を含ませていきます。このあとにお米を蒸していきますが、水分を含ませることによってお米の内側だけを柔らかくすることができます。

内側だけを柔らかくするのは、その次の行程である麹づくりの際に、お米に麹菌が繁殖しやすくするためです。麹づくりは日本酒作りにおいて大事な工程の一つですので、杜氏さんたちはストップウォッチを片手に、その年にとれたお米の具合を見ながらもっともよい塩梅で水分を含ませます。

画像参照元:花房

3(1).麹造り

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画像参照元:吉祥

蒸したお米は二つ使い道があり、一つは麹を造るために、もう一つは酒母造りのために使われます。

麹造りとは、蒸したお米に麹の種を振りまいて、麹菌を繁殖させることを言います。麹菌は環境によって繁殖の度合いが変わってくるので、温度の変化などを見ながら手でほぐしたり、換気をしたりと、一晩中つきっきりで作業をしなければなりません。

現在では、機械によってその管理を行っているところもありますが、伝統的なやり方、受け継がれてきた職人の技術を使って、文字通り寝ずの番で作業を行っているところもあります。

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画像参照元:片山酒造

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画像参照元:秋川牧園

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画像参照元:松江ものづくり.net

……どうしてみんな裸なんだい!!と突っ込みたくなる方、

……あらいいですねぇ~。。。と頬を赤らめている方、

いろいろいらっしゃると思いますが、麹菌を育てる麹室は室温30度前後、しかも湿度も高めなので、この姿じゃなければやってられないんだとか。もちろん服を着て行っているところもありますがね。

3(2).酒母造り

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酒の母と書いて酒母。酒造りにおいてもっとも重要な素材となるのがこの酒母であり、酒母造りによって日本酒の良し悪しが大きく左右されます。

酒母は、前述したように麹造りに使用していない蒸米、それから水、酵母、そして先ほど作った麹を混ぜて作ります。こうすることにより、酵母が培養されて大量の酵母ができます。この大量の酵母のことを酒母といいます。

この酒母を作る際には雑菌が繁殖しないように大量の乳酸が必要になりますが、この乳酸をどのように用意するかによって日本酒には特殊な名前が付きます。

  • 生もと(きもと)
    空気中など自然に発生した乳酸菌を使用して作った酒母のこと
  • 速醸
    人工の乳酸を添加して作った酒母のこと

ほとんどの日本酒は速醸で造られますが、「最高の日本酒とは食に最高の感動を与えるものである!まじで大七が飲みたくなった!」でもご紹介していますが、中には生もとを使って日本酒を造っているところもあります。

天然由来、自然の素材を使って、じっくりと熟成させた日本酒は、アーモンドココナッツのように独特の香ばしさを醸しますので、本物の日本酒が飲みたい!というかたは「生もと」あるいは「生酛」という表記のある日本酒を探してみてください。

画像参照元:横川商店 蔵日記

4.醪造り

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酒母ができあがると、みなさんが「これぞ酒造り!」というイメージのある、あの大きなタンク!あのタンクに酒母を移して、醪を造っていきます。醪とはいわば日本酒の命とも言えるアルコール、そして酒本来の甘味、旨みを醸成させていくための行程になります。

アルコールは

  • 米+麹=デンプンが糖に変わる
  • 酵母が糖を食べる=アルコールが生まれる

というメカニズムのもと生成されるのですが、アルコールは糖を取り込みますので、旨み、甘味、そしてアルコール量を調整しながら醪を造らなければなりません。そのため、初添仲仕込留仕込と3段階に分けて仕込み、味を調整していきます。

画像参照元:みやぎ大崎

5.搾り

醪は上記の写真のように白濁したドロドロの液体ですが、ここから日本酒だけを取り出すために搾っていきます。搾り方には

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画像参照元:灘酒研究会

  • 自動圧搾機
    機械を使って一気に搾る方法。空気に触れる時間が短いので酒が酸化しにくいという特徴があります。

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画像参照元:金分銅酒造株式会社

  • 槽しぼり
    布袋に入れた醪を船底のような形をした桶に並べて、ゆっくり時間をかけて絞っていく方法。圧搾機のようにストレスがかからないため、品のある酒が生まれます。

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画像参照元:Walker

  • 雫しぼり
    写真のように醪を吊り下げて、そこから滴る酒の雫を集める方法。もっともストレスがかかりにくく、酒本来の味をそのまま搾り出せるので、最上級の日本酒を作る際には雫しぼりが使われます。

6.濾過

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日本酒は基本的に無色透明のものが一般的で、青い蛇の目のついたお猪口は日本酒の透明さを楽しむために作られたものであるくらい、日本酒は透明であることが良しとされています。

しかし、絞り終えた日本酒は無色透明ではなく、ほんのりと琥珀色、金に色づいています。そこで、活性炭を入れて色抜きと同時に雑味を濾過します。

しかし、この濾過という工程を経ることによって日本酒本来の旨みが損なわれるという見方もあり、『お手本はない。だからこそ常に最高の日本酒を造る!菊姫が日本酒造りにかけるこだわりとは!』でもご紹介しているように、あえて濾過をしない酒造もあります。

7.火入れ→瓶詰め

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最後、瓶詰する前に、一般的な日本酒は火入れを行います。

火入れとは、日本酒の中に生息している火落ち菌という菌を殺し、長持ちさせるため、また味を安定させるための処理で、60度前後のお湯に30分つけるという作業を行います。

しかしながら、火入れをすることによって日本酒本来の旨みを損なうという観点、わざと微生物の動きを活発化させて熟成させるという観点から火入れを行わない日本酒もあります。これらの違いは

  • 普通酒=搾り→【火入れ→貯蔵→【火入れ】→瓶詰め
  • 生酒 =搾り→【---】→貯蔵→【---】→瓶詰め
  • 生詰め=搾り→【火入れ】→貯蔵→【---】→瓶詰め
  • 生貯蔵=搾り→【---】→貯蔵→【火入れ】→瓶詰め

という名称でみわけることができます。火入れをしなければフレッシュな日本酒になりますので、瑞々しい日本酒が飲みたいというかたは、ぜひ生酒や生詰などをお試し下さい。詳しくは『生酒って…何!?今さら聞けない日本酒の基本!生酒、生貯蔵、生詰めの違い。』をご参照ください。

画像参照元:福禄寿酒造

以上、日本酒の作り方についてのまとめでした。日本酒は普通秋から冬にかけて仕込みが始まり、もっとも寒くなる1月、2月にかけて本格的につくられていきます。

日本には1,500の蔵がありますが、どれも基本となる造り方は同じであっても、一つとして同じ日本酒はできません。それぞれの蔵のこだわりを感じながら、私たちに幸福をもたらしてくれる酒造に感謝を込めて、今日も日本酒で乾杯を交わしましょう!

 


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