お猪口は時代遅れ?日本酒の酒器には○○が最適!?

お猪口は時代遅れ?日本酒のグラス・酒器には○○が最適!?


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美味しい日本酒を味わうのと、日本酒を美味しく味わうのは、似ているようでまったく異なるアクションとなります。美味しい日本酒を味わうためには、全国各地に点在している地酒を知り、自分の舌に合う一本を探す必要があります。

対して、日本酒を美味しく味わうためには、日本酒の銘柄だけでなく、一緒に食べる料理飲む季節飲み方(参照:知れば知るほど使える日本酒の飲み方!基本と応用)、そして飲む器=酒器にも気を遣わなければなりません。

日本酒を美味しく味わうために酒器に気を遣う?
器何てどれに入れても一緒だろ!

と思う方もいらっしゃるかと思いますが、これ全く違います。

日本酒は飲む器が違えば、全く違う香り方、風味を醸し出す飲み物です。そのため、美味しい日本酒をさらに美味しく味わうためには、器についての理解が必要になります。

そこで、今回は酒器の違いによる香りの違い、風味の違いについてみていきながら、どの日本酒にどの酒器、グラスが合うのかを確認していきましょう。

自分で酒器を選べるようになるための第一歩

自分でこのお酒にはこの酒器がいい、こういうふうに味わいたいからこの酒器がいい、というように、自分で日本酒にあった酒器を選ぶことができるようになるには、まず、酒器が日本酒にどんな影響を与えるのかを知らなければなりません。

酒器を選ぶ際のポイントとしては下記のような項目があげられますので、まずはこちらを確認していきましょう。

酒器の容量、素材温度の変化による味の変化に関係する。

日本酒には銘柄ごとに飲む際の適切な温度、飲み方があります。温度が変わると味が変わってしまうもの、大量に注ぎすぎると味が分散して飛んでしまうものなどは、なるべく小さな酒器、一口サイズで飲み干せるものを選びます。

お酒の温度は酒器を持っている手の温度が伝わることによっても変わるため、陶器などの分厚いもの、温度が伝わりにくい素材のものを選ぶといいでしょう。

酒器の口径(飲み口の広さ)=香りと口当たりに関係する。

酒器を口に近づける際にまず感じるのは、お酒の香りです。

口径の広い酒器は注がれたお酒を広範囲で空気に触れさせるため、口径の小さいものよりも早く酸化させることができます。酸化したお酒はより香りを発散するので、香りを楽しみたいとき、また逆に熱燗などでアルコールの匂いが強くなったときに、その匂いを飛ばしてくれるというメリットがあります。

そのほか、口径の違いは味の違いにもダイレクトに関与し、大口のものほど濃厚な味わいに、小口のものほどすっきりとした味わいになる傾向にあります。

酒器の形状香りに関係する。

口径の大小もそうですが、口径を含め酒器の形状も日本酒の味わいに大きく関係します。

酒器には口が広がっているラッパ型、底が深くそのまま上に伸ばしたようなストレート型、 腰が広く飲み口にいくについてしぼんでいくつぼみ型、腰が広く飲み口までそのままの大きさのボウル・ワングリ型の4つがあります。

上記の口径にも関わりますが、口の広いラッパ型やストレート型は香りをダイレクトに楽しむことができ、つぼみ型は香りを包み込んで日本酒本来の味を楽しむことができます。

普通酒、本醸造酒なら、一口サイズのボウル・ワングリ型

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写真のように飲み口(口径)が広いものをワングリ型と言いますが、普通酒や本醸造酒を飲むならこの一口サイズのボウル型・ワングリ型の酒器が最も適しています。

日本酒は温度に敏感なものが多く、ぬる燗、熱燗の5℃の違いによっても香りや風味が変わってきます。そのため、一口サイズのボウル型、ワングリ型のぐい飲みで一思いに飲み干すのが最もおいしい飲み方となります。

温度変化を加味して分厚いものを選んでしまうと、舌の最も美味しさを感じる部分に流し込めなくなるので、できるだけ薄いものを選び、温度が変わらないうちに飲んでしまうのがおすすめです。

特に、味の濃いもの・強いものは写真のような陶器の酒器を、味が繊細 でシャープなものはガラス製のものが最適です。

吟醸、大吟醸などの良い酒はラッパ型

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普通酒や本醸造酒よりもランクの高い吟醸酒や大吟醸酒は、香りが高く味が淡いという特徴があります。そのため、吟醸酒や大吟醸酒を飲むのであれば、ダイレクトに香りを楽しむことができ、濃厚な口当たりを感じることのできるラッパ型の酒器がおすすめです。

また、上記しましたように吟醸酒や大吟醸酒は味がシャープなため、写真のようなガラスタイプのものを使うと、さらに日本酒本来の繊細な旨みを感じることができます。

底の深いものに注ぐと、より香りを長時間楽しむことができます。 酒造によっては、大吟醸を飲むための酒器、大吟醸グラスを製造しているところもあります。

それぞれの銘柄には、酒造ごとにこだわりがありますので、その日本酒をもっともおいしく飲むことができるのはやはり大吟醸用の特別なグラスではないでしょうか。

癖のある酒はストレートに飲み尽くせ!

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古酒や熟成酒、また原酒など、一癖も二癖もあるような日本酒は、そこの深いストレート型のグラスを使用するのがおすすめです。香りや風味を逃がさずに、その独特で個性的な味を楽しむことができます

このような日本酒には味の濃厚なもの、強いものが多くみられますので、こちらも風味をシャープに感じることのできるガラスタイプのグラスをお勧めします。

また、微妙な色の違いを楽しむことができるのもガラスタイプの利点です。日本酒は無色透明に澄んでいるように見えてほんのり色づいているものや、グラスの色をきれいに反射するものなどもあり、目で楽しむこともできます。

純米酒用「つぼみ型グラス」は必需品!

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日本酒の主原料であるお米。そのお米の香りを存分に楽しめるのが米と米麹のみで製造している純米酒です。その、純米酒をさらに美味しく味わうための酒器がつぼみ型のグラスです。

上の写真のグラスは九州山口陶磁展において最高賞である経済産業大臣賞を受賞しており、数々のテレビ番組で取り上げられているほど人気を博しているエッグシェルという商品です。そのエッグシェルシリーズの中でもKaoriと名付けられているつぼみ型のこちらは、まさに純米酒を飲むのに理想の一品となっています。

もちろんこちらのグラスを手に入れることができなくても、このような口径がきゅっとしまっているつぼみ型のグラスであれば純米酒の芳醇な香りを楽しむことができます。

純米酒だけでなく香りの高いお酒、ワインなどにもこちらの形状が最適です。

画像参照元:有田焼窯元 やま平窯元

日本酒×錫が熱い!おしゃれなだけじゃない錫製酒器

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これまで日本酒の酒器として主流だったのは、従来のお猪口のような純和風デザインのものですが、新しく日本酒の酒器として注目を集めているのが錫(すず)です。上記の酒器は株式会社能作が製造している100パーセント錫でできたぐい呑みとなっています。

錫はほかの素材よりも熱伝導率が高いため、熱しやすく冷めやすいという性質があります。

そのため、夏は冷蔵庫で増やしてキンキンに冷えた冷酒を、熱燗は持てなくなるほど温度が高くなることもあるので要注意ですが、ぬる燗ならば寒い冬にもぽかぽかと暖まることのできる日本酒を楽しむことができるでしょう。

また、錫には熱伝導だけでなく、不純物を吸収し、水を綺麗にするという性質もあります。これは錫の持つ高いイオン効果によるもので、昔から浄化槽の代わりをしてきたほどだとか。濁りなくすーっと澄み切った日本酒を飲みたいという方はぜひ錫製のぐい飲み、お猪口を探してみてはいかがでしょうか。

画像参照元:株式会社 能作|NOUSAKU CORPORATION

なんだかんだ、お猪口は万能

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このように、日本酒を飲むための酒器、とりわけ新しい形の日本酒の飲み方を紹介してきましたが、では、従来型のお猪口(おちょこ)はどうなのでしょうか。

一言でいうと、お猪口は万能なんですね。

日本酒を飲む際に最も気を付けなければならないのは温度であるといいましたが、一口サイズのお猪口は温度が変わる前に飲みきってしまえる量の日本酒しか注ぐことができません。そのため、吟醸酒であれ大吟醸酒であれ、また普通酒も純米酒もおいしくいただくことができます。

特に、もっともポピュラーな蛇の目猪口は、日本酒本来の色や濁りを判別しやすく、角度を変えれば青を綺麗に反射するかどうか、いわゆる青冴えするかどうかを見極めることができます。

このように蛇の目猪口はデザインにも優れているわけですが、どんな日本酒も美味しくいただけるということを逆手に取れば、お猪口はどんなデザインのものでもいいということにもなります。

ほかのグラスはある程度形やデザインが決まったものが多くなっていますが、お猪口だけは自分の好きなデザインを選べばいい、目で見て楽しめるものを使うことができます。 日本酒は奥が深いです。同じお酒でも飲み方が違えば、まったく異なる表情をみせます。

自分の好きなお猪口で飲むのも一興、美味しさ、香りを追求したお酒専用のグラスを集めて、本物の味を楽しむのもいいですね。まずは、簡単に手に入るものから買って、飲み比べをしてみてください。きっと、その違いに驚かれることでしょう。


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