雁木に始まり雁木に終わる!八百新酒造が目指す日本酒「おいしさのターミナル」とは?

雁木に始まり雁木に終わる!八百新酒造が目指す日本酒「おいしさのターミナル」とは?


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現在、日本には全国で2万種以上の日本種があり、使う酒米、それから水、そして各酒蔵のこだわりによって様々な風味を味わうことができます。同じ米を使っても、造り方によっては甘くもなり、辛くもなり、まろやかで喉越しのずっしりとしたものもあれば、透き通るようなキレで口当たりの軽いものもあります。

要は、酒蔵の想い、造りたい酒の理想像によって日本酒はどのようにでも味を変化させるのです。そして今回紹介する八百新酒造の雁木。雁木とは港にある船着場、船に乗り降りするために海から陸へとかけられた階段のことを言いますが、なぜ八百新酒造は、自らの造る日本酒に「雁木」と名付けたのでしょうか。

それが八百新酒造の酒造りのキーワードでもある「おいしさのターミナル」ということです。八百新酒造が「雁木」に込めた「おいしさのターミナル」とはなにか?そのこだわりの酒造りとはどういうものか。そして、雁木の商品ラインナップについて見ていきたいと思います。

画像参照元:八百新酒造株式会社

おいしさのターミナル、日本酒の港であれ

八百新酒造の始まりは明治10年、つまり今からおよそ100年前。当時でいう総合商社を経営していた八百屋甚兵衛の元に養子として入った八百屋新三郎が、元々醤油造りの醸造でもあった「八百甚」に対し、本業を清酒醸造とし日本酒を作り始めたのが「八百新」でした。醤油も日本酒も醸造して造られるという共通点、その歴史や技術を受け継ぎつつも新しいことを始める、その気概が現在にも残る八百新の挑戦する体勢として受け継がれているようです。清酒酒造でありながらもビールや外国のお酒などの卸を行うなど、広くお酒について関わり、当時造っていた日本酒「新菊」はトップブランドとして名高いものとなります。

しかし、戦争による米不足や政府による規制という壁にぶち当たると、造っても売れないという悪循環に陥り、休蔵も止むなし、一時は従業員が全部で二人というところまで落ちていくのです。

このスランプから抜け出したのが平成になってからのこと、副業として続けていたビールや洋酒の販売をやめて日本酒造りに一本化し、もう一度自分たちの原点、本当に美味しい酒造りに立ち返ってみようと長い年月をかけて造られたのが何を隠そう「雁木」なのでした。

八百新酒造が掲げる「おいしさのターミナル」、つまり「雁木に始まり雁木に終わる」を体現しようとした結果生まれたのが雁木であり、それは飲む人にとっても「どんな旨い酒を飲んでも、最終的には雁木に行き着いてしまう」という、いわば港のような存在となっているのです。

無理に本数を増やそうとせず、美味しいと感じる人に美味しく飲んでもらいたい、おいしさが分かる人を大切にしたいという想い、そしてこだわりの酒造りが現在の「雁木」の人気の理由が伺えますね。

純米酒オンリーにこだわるわけ

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日本酒は大きく二つに分けると、純米酒かそうでないかに分けることができます。純米酒は原料が米と水のみ添加物を一切使わずに造ったものとなり、それ以外の日本酒は米と水に加えて、醸造アルコールという添加物を入れることによってアルコール度数や風味を整えているので「純米酒」という名前を使うことはできません。

純米酒かそうでないかの違いによって、どちらがランクが上ということはありませんが、やはり自然のものだけを使った純米酒の方がなんだか特別な感じがしますよね。そこで雁木のラインナップを見てみると、全部純米酒、一切添加物を使わない日本酒造りにこだわっているんですね。

その想いは米本来の素材、その可能性を生かす、引き出すということ、また出来上がったものをなるべく壊さないように二次加工をしないというこだわりを持っています。ほとんどの日本酒は活性炭素を用いて色を透明に近づけたり、雑味を抜いたりするのですが、雁木ではそのような加工は一切せず、素材そのままの味を楽しむことができます。しかし、そのためには並々ならぬ努力と準備が必要となります。

良い酒を作るには良い麹、良い醪の発酵が必要に、そしてそのためには良いコンディションで米を蒸さなければなりません。このどれか一つが欠けると旨い酒は造れないため、全てにおいて徹底的に管理をおこなっています。

管理と一言で言えば簡単なように思えますが、テクノロジーが進化しても自然を相手にする酒造りでは管理一つとっても大きな仕事となります。米は毎年同じ大きさ、同じ養分を持って生まれてくるものではなく、水もそう。毎年、毎日、温度も違えば湿度も違う、このような条件の中、自分たちの日本酒「雁木」の味を守るために戦っているのです。

そのひとつが手触り。職人技と呼ばれるものには様々なものがありますが、日本酒作りもまさに職人技です。弾力や肌ざわり、湿り具合や温度などから、ベストなタイミングで、ベストなコンディションで洗米をし、また麹づくりを行うのです。

そして。実際に耳で聞いているのかどうかはわかりませんが、米や麹、そして醪の状態に耳を傾け、彼らが何を訴えようとしているのかを聞く、察知する、そして施す。八百新では「溶け」と「キレ」を時間軸に沿ってグラフ化し、アルコール度数やアミノ酸、糖度、諸々をサンプリングし、その統計を職人の技によって体現するのです。 それはまさに子育てのようであると八百新は語ります。気まぐれで、難しくて、それでいて可愛い。日本酒を愛する気持ちが全面にお押し出されています。

画像参照元:八百新酒造株式会社

商品ラインナップ

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では、気になる雁木の商品ラインナップを見ていきましょう!気になった商品があればぜひ一度飲んでみることをお勧めします!

画像参照元:八百新酒造株式会社

「ノ壱」純米 無濾過生原酒

3雁木の中でも最も最初に造られた雁木がこちらの純米無濾過生原酒「ノ壱」です。普通酒であるにも関わらず、無濾過、火入れなしというこだわりを持って造られた最もベーシックな雁木となります。

まだ、雁木を飲んだことがないという方、純米酒のおいしい日本酒が飲んでみたいという方は、まずはこちらをお試しください。

 

画像参照元:八百新酒造株式会社 

 「ノ弐」純米吟醸 無濾過生原酒

4吟醸酒を飲めばその酒造の味、こだわりがわかるとはよく言いますが、「ノ壱」の次に生まれた、吟醸酒としては初めて世に出た雁木がこちらの純米吟醸 無濾過生原酒「ノ弐」です。

控えめなフルーツのような香りにキレのある酸味、煮物などの味の濃い料理に合わせて美味しい一本となっています。

画像参照元:八百新酒造株式会社

 

「鶺鴒」純米大吟醸

5雁木の中でも最上ランクの質を誇るの純米大吟醸「鶺鴒」は、優雅な香りが口を通って喉に流れる、その一筋の余韻がまさに鶺鴒の飛び去った軌跡を感じさせるほど清々しい飲み口となっています。

山田錦を35%まで精米をかけ、磨き上げた極上の一本となっています。

画像参照元:八百新酒造株式会社

 

「ゆうなぎ」純米大吟醸

6鶺鴒に比べて力強く、それでいて瀬戸内海に反射しゆらゆらとたゆたう夕凪のように穏やかな飲み心地の純米大吟醸が、こちらの純米大吟醸無濾過「ゆうなぎ」です。

山田錦45%精米を使った大吟醸は、しっかりと旨みのある骨太な味わいとなっています。

画像参照元:八百新酒造株式会社

 

 

そのほか、純米吟醸「みずのわ」純米無濾過「ひとつ火」などがあります。 山口県には超有名日本酒「獺祭」がありますが、獺祭に負けないくらい多くの人々から愛される雁木、一度飲んでみてはいかがですか?


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