日本酒造りには「ない」ほうがいいものがある!雪の茅舎の酒造りの引き算とは!?

日本酒造りには「ない」ほうがいいものがある!雪の茅舎の酒造りの引き算とは!?


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毎日料理をする方ならわかって当然でしょうが、料理の「さしすせそ」、みなさんは言えますでしょうか?砂糖醤油、醤油、酢醤油、醤油(せうゆ)、ソイソース!醤油さえあれば料理はすべてうまくいく、オールオッケー!…という、何にでも醤油使うマンは置いといて、正解は、砂糖、塩、酢、醤油、味噌ですね。「せ」が「せうゆ」と旧仮名遣いであること、そしてどう考えても「み」である味噌が「そ」として採用されているところがミソ。「さしすせそ」に無理矢理合わせようとした感がいなめません。

筆者の料理は塩コショウが中心で、なんにでも塩コショウかけてしまうマンなのですが、そのほか、めんつゆ、みりん、ケチャップ、マヨネーズあたりがヘビロテ、これが私の料理の「しめみけま」となっています。

何かを作るとき。それは料理だけではなく、音楽なんかもそうなんですが、ギターとベースとドラム、そして、バイオリンのアンサンブルに電子音、と重ねていくことによって音に厚みが生まれて、なんだか豪華な感じに聞こえます。 しかし、ときには引き算も重要です。

アコースティックギター一本の弾き語りの心地よさ、京料理に代表される素材本来の味を生かした味付け、そして、「しない」ことにこだわりを持つ「雪の茅舎」の日本酒のように、マイナスすることこそが、そのものの価値をプラスするということもあります。

ということでここでは、秋田に蔵を構える「雪の茅舎」などで知られる日本酒を製造している 齋彌酒造店のこだわりについて見ていくことにしましょう。どのようにして齋彌酒造店の日本酒ができあがるのか、他の日本酒との違いについて、また齋彌酒造店が造っている日本酒の種類、その味の違いなどについて見ていきたいと思います。

画像参照元:kyoedaya

米を作るのは酒を造る人

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日本酒の命、それはなんと言っても原料となる酒米です。お米が美味しくなければ日本酒が美味しくなるはずがないのですが、毎年毎年同じ大きさの米ができるわけでもなければ、米ひと粒ひと粒に含まれるタンパク質の量やその他の栄養素がまったく同じということもありません。

このように米作りはとても手間暇がかかり、思うように育てるには大変苦労がいるので、ほとんどの酒造では、プロの農家に米作りを依頼し、できるだけ質のいいお米を仕入れるようにしています。特に日本では「山田錦」という酒米が酒造好適米の中でもダントツに良い酒米とされており、その中でもとくに特A地域に指定されている兵庫県灘地区の山田錦だけを使って酒を造っている酒造もあります。

しかし、齋彌酒造店は違います。お米を作るのは農家ではなく杜氏(酒造りのリーダー)を含めた蔵人、つまり酒を造る張本人たちなのです。自らで作ることによって、今年の米の出来具合を計りつつ、そのまま酒造りに活かすことができ、自分たちが造りたい日本酒にあったお米を育てることができます。

齋彌酒造店曰く、「タンパク質の少ない米ほど、雑味が少なくすっきりとした味の日本酒ができあがる」らしく、日本酒を造る蔵人がそれを理解し、自らで育てることが齋彌酒造店のこだわりとなっています。米作りの一部、田植えや刈り入れだけを蔵人が手伝うというパターンは日本全国見られますが、齋彌酒造店のようにガッツリと栽培に関わっている酒造は全国的に見ても少ないんじゃないでしょうか。

これがそのまま美味しさの秘訣となっているんですね。

画像参照元:雪の茅舎

齋彌酒造店の「ない」もの

齋彌酒造店のこだわりは冒頭でお話したように「ない」にこだわっているというところにありますが、一体なにを引き算しているのでしょうか。日本酒造りのマイナスの価値についてみていくこどにしましょう。

  • 櫂入れをし「ない」

日本酒を造る行程の中で、酒母を造るという大事な作業があります。米に含まれているでんぷん質を糖化させ、酵母を増殖させることを言うのですが、この酵母こそアルコールのもととなるもの、つまりお酒の旨さを決める大事な要素となります。

蒸米と麹、水、そして少量の酵母を加える事によって、少しずつでんぷん質が糖化し、そのでんぷん質を酵母が食べることによって、アルコールが造られるのですが、その間、通常の蔵では発酵を進めるために、櫂と呼ばれる木の棒でこれらをかき混ぜる「櫂入れ」を行います。

酵母造りが完了するまでには約1ヶ月ほどの時間がかかるのですが、櫂入れをすることによってうまく糖と酵母を結びつけることができるのですが、この作業を齋彌酒造店では一切行いません。 櫂入れをすると米が潰れて糊状になってしまい、糖化が遅れてしまうという理由もあるようですが、酵母自身の動き、働きに任せて、それをじっくりと待つことが酒本来の旨みを造り出すことだと考え、その方が酒がまろやかになるということを発見したからだそうです。

様々な蔵を見てみると、あえて米を潰して糊状にすることによって糖化のスピードをコントロールするという蔵もあるようですが、齋彌酒造店では櫂入れをしないというこだわりを持つことによって、他とは違う酒を造っています。

  • 濾過をし「ない」

日本酒を商品化する前の最終段階、醪を絞って日本酒を取り出す際に、通常のお酒では「炭素濾過」といい日本酒に活性炭を入れて雑味や色を吸着させるという行程をとります。雑味や色を抜くことによってすっきりとした風味の日本酒を造ることができますが、あえて濾過しないことによって、日本酒本来の旨みをそのまま味わうことができます。

  • 割水をし「ない」

また、商品化する前の最後の日本酒は、加水調整といって味わいやアルコール度数を調整するために割水を加えるという作業をします。割水をしない日本酒のことを「原酒」といい、原酒の場合、ラベルに「原酒」という文字を使うことできるようになります。齋彌酒造店のお酒はすべて「無濾過」であり「原酒」となります。

「雪の茅舎」商品一覧

ないことにこだわりを持つ齋彌酒造店。ないということによって「無濾過」「原酒」という呼称が与えられ、酒本来の味に近づけるというこだわりを形にした日本酒「雪の茅舎」とは一体どのようなお酒なのでしょうか。早速見ていくことにしましょう。

雪の茅舎 純米大吟醸

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雪の茅舎の中でも最もランクが高く、最高品質の日本酒となっているのが、こちらの雪の茅舎 純米大吟醸です。気品あふれる漆黒の瓶に、光り輝く黄金の「雪の茅舎」の文字。 じっくりと長い時間をかけて熟成させた米本来の旨み、そして割水をしない酒本来の濃厚な旨みを持った齋彌酒造店渾身の一本となっています。

画像参照元:雪の茅舎 製品のご案内

雪の茅舎 大吟醸

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雑味がないのにしっかりと味に厚みがあるという不思議な感覚。雪の茅舎 大吟醸は、果物のようなすっきりと甘い香りと、そこからは想像もできないような米の濃厚な風味がベストにマッチングする、まさに妥協のない日本酒という飲み口となっています。手に入りやすいのにこれほど旨い酒はそうそうないでしょう。

画像参照元:雪の茅舎 製品のご案内

雪の茅舎 秘伝山廃純米吟醸

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本当に口当たりのいい日本酒は、どこにも引っかかることなく口に入れた瞬間から軽やかに流れていきます。雪の茅舎 秘伝山廃純米吟醸は、まさにスムースなお酒、さっと入ってきてスイスイっと飲めてしまう、癖のない味が逆に癖になるという日本酒です。山廃ならではの長期熟成らしさもあって、この値段でこの味はなかなか拝むことのできない日本酒なんじゃないでしょうか。

画像参照元:雪の茅舎 製品のご案内

雪の茅舎 純米吟醸

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酸味、旨み、そして香り。どれをとってもバランスがよく、冷酒にしても美味しく味わえるのが雪の茅舎 純米吟醸です。膨らみがありながら喉越しがよく、日本酒の生きた香りが一口、また一口と飲む人の心にすぅーっと入り込む、そんなやめられない、止まらない一本です。

画像参照元:雪の茅舎 製品のご案内

雪の茅舎 山廃純米

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雪の茅舎は上記にあげたこだわりの手法の他に、山廃で造る日本酒というところにもこだわりを持っています。雪の茅舎 山廃純米は山廃の中の山廃、山廃の最高級品とも言われるほどクオリティが高く、山廃好きな方には絶対に満足いただける一本となっています。飲み飽きることがなく、飲むたびに酸味と旨みとが醸し出されるような、純米らしさも直に感じることのできる雪の茅舎です。

画像参照元:雪の茅舎 製品のご案内

そのほか、雪の茅舎には

などがあります。どれも個性的で質の高いお酒となっていますので、日本酒好きも、これから日本酒にチャレンジしたいという方もぜひ一飲してみてください。


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