地方の小さな酒蔵に得体も知れない可能性を感じた!日本酒「飛露喜」が美味い!

地方の小さな酒蔵に得体も知れない可能性を感じた!日本酒「飛露喜」が美味い!


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現在、日本には全国1500を超える酒蔵があり、2万種を超える日本酒が造られていると言われています。日本酒はまさに日本の文化であり、伝統と歴史を受け継いた日本が世界に誇ることのできる素晴らしいものの一つです。その歴史は古く、一説によると紀元前とも言われている日本酒の起源、日本では創業100年を超える企業やお店のことを老舗と呼ぶことがありますが、日本酒業界において100年はまだまだ新人、200年、300年を超えて初めて歴史ある酒蔵と言われるほど深い歴史を持っています。

私たちは歴史あるものや伝統のあるもの、長く人々に愛され続け、現在もその歴史や伝統を守りながら事業を続けている企業や商店、食べ物や飲み物などに価値を見出します。特に日本酒などのいかにも歴史あるものなどは、それだけで飲んでみようかという気持ちになり、飲んだことがあるということが一種のステータスになったりします。

美味しい日本酒は歴史を持っている。それは間違いではありません。時代が欲している酒を造り続け、何百年もの間、たくさんの人に飲まれ続けているという証拠があります。では、歴史を持っていない日本酒は美味しくないのか?そう問われると、こちらも美味しくない!と答えるのはまた間違いだと思います。 その証拠に、廣木酒造の「飛露喜」は格別に美味しい。

飛露喜はたった15年程しか歴史を持っていないのにである。美味い日本酒を造りたいという思いがどのように作用すればこのような美味い日本酒が作れるのか、涙なしでは語れない「飛露喜」の誕生秘話とともにその美味さについて見ていこうと思います。商品ラインナップについてもご紹介しますので、飛露喜が気になった方はぜひチェックしてみてください!

画像参照元:酒呑親爺の酔って候

飛露喜誕生の秘話。ハンカチの準備を

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たった15年程の歴史しかない「飛露喜」ですが、実は飛露喜を造っている廣木酒造は江戸時代中期に創業、つまり300年以上前から福島県会津で日本酒を作り続けている老舗なのです。戦争による煽りなど紆余曲折ありながらも、1990年代まで日本酒を造り続けた廣木酒造ですが、事件はここで起こります。

杜氏の高齢化。

これまで、地元会津では「泉川」というブランド名で親しまれた日本酒を造り続けていた廣木酒造ですが、酒を造る杜氏が高齢化し廣木酒造を去ってしまうのです。杜氏と言えば酒蔵の全てを動かしている人、日本酒のことを一から十まで知り尽くし酒蔵におけるなくてはならない人、いわば酒造りの絶対的中心人物なのです。長年造り「泉川」を造り続けた杜氏が高齢化し、蔵を去ってしまうのです。 残されたのは廣木酒造の現社長である9代目の健司さんとその父親健一郎さんの二人だけ。基本的に酒蔵の社長というのは酒造の経営を行っている人、もちろん酒造りのことは学びながらも実際に手を動かして日本酒を造るということはしません。そんな酒造りに対しては初心者同様の二人のみが残された廣木酒造。しかし、事件はそれだけに留まりません。

8代目健一郎さんの死去。

廣木酒造に残されたたった二人の親子、これから力を合わせて酒造を大きくしていかなくてはと思ってた矢先、杜氏が去った翌年に健一郎さんは旅立ってしまいます。ひとつの時代の終わり、江戸時代から続いたこの酒造も自分の代で終わりか…、せっかくなら最後に自分が美味いと感じる、自分が好きな酒を造って終わるのもいいか…。そう思い残された健司さんは最後の酒を造り始めます。

最後の酒、そんな思いで造った酒が大ヒット、瞬く間に全国を席巻する…となればなんともドラマチックですが、現実はそんなに単純ではありません。全国を相手に勝負できる酒ではなく、いよいよ蔵をたたもうと考えていた矢先、テレビ局から取材を受けます。美味い酒を造る酒造としてではなく、酒造りの盛んな会津、その一酒造を通して地方の風景を撮影したいという内容のものでした。

まぁ、最後の思い出にいいか。いつか自分の子供にこんな仕事をしていたんだよって、そう言えるような映像を残しておくのも悪くない。

そんな思いでオッケーした取材、そのとき飛露喜が生まれる種が蒔かれたのです。その放送をたまたま見ていた東京の地酒専門店から応援の電話が入ったのです。「旨い酒を造ってくれ」と。「本気で旨い酒を造るならば協力する」と。試しに出来た試作品を送ったところ、やはり

こんな酒じゃ全国を相手にできない

と言われたそうです。この言葉をバネに、健司さんの本気の酒造りが始まります。研究に次ぐ研究の日々、膨大な資料やデータから自分が求める本当に美味しい酒の幻影を追い求め、ひとつの真理に行き着きます。

酒米は水に浸す時間が少しでも違えば味がまったく変わってしまう。

長年酒造りをしている杜氏から言わせれば当たり前のことかもしれません。しかし、このことに気がつき、ストップウォッチで浸水時間をしっかりと管理するようになり、それが意識改革にもつながって少しずつ美味いと思える酒が出来始めます。投資と割り切って蔵の設備を新しいものに新調したのもその一つ、出来上がった酒は酒屋さんからも好評でした。

100本発注してくれ!

その翌週には、

もう100本追加で!

1999年、研究に研究を重ね、努力に努力を重ねた末に出来上がった日本酒「特別純米無ろ過生原酒 飛露喜」は飛ぶように売れ、しまいには生産が追いつかなくなるほど。特に顕著だったのはラベルの印刷が間に合わないということ。

健司さんの母親である浩江さんによって一枚一枚手書きで書かざるを得ない状況。 飛露喜、飛露喜、飛露喜、飛露喜…来る日も来る日も筆を執り、ラベルに飛露喜の文字を書き続けたそうです。こうして五年後には倍の売り上げを誇り、今では全国でうまいとされている日本酒と互角に渡り合える日本酒となったのです。 なんだこのドラマみたいな展開は!!! 小さな酒造でも美味い酒は造れる。 日本酒の美味さは歴史ではない。 日本酒業界にそんな新たな常識が生まれた瞬間でした。

画像参照元:nippon.com

飛露喜ってどんな酒?商品紹介

美味い酒というのはわかった。たった10数年でも美味い日本酒が造れるというのもわかった。で、飛露喜ってどんな日本酒なのよ!?と気になっている方もいらっしゃると思います。現在、飛露喜には約10種類のラインナップがありますので、それぞれの特徴と味わいについてみていくことにしましょう。いやぁ本当に美味い酒でびっくりしますよ!私もすっかりとりこです。

純米大吟醸

4豪華絢爛な和紙に輝く黄金の飛露喜の文字。黒光りするボトルもまた最上級の証という感じがしますね。こちらの「飛露喜 純米大吟醸」は、麹米にも掛米にも山田錦を100%使用した飛露喜の中でも最上級の日本酒となっています。

第一印象はお猪口に注ぎ込む際の、あの山田錦特有のフルーティな香りがふぁっと立ち昇り、緩やかに鼻の奥へ抜けていくという感じ、そして一口含むと心地の良い酸味が広がっては落ちていきます。過度な火入れをしない生詰めの良さでもあるんでしょうが、飛露喜自身が掲げている「質のいい酒」を体現したかのような一本になっています。

酸味が苦手という人には向かないお酒でしょうが、好きな人はなぜか忘れられない味、いつまでも印象に残るような、そんな個性を感じ続けるでしょうね。もちろん私は後者でしたが。

画像参照元:渡辺宗太商店

純米吟醸 生詰

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真っ黒なラベルに銀色に輝く飛露喜の文字。黒ラベルと言われるこちらの「飛露喜 純米吟醸」も、さすが純米吟醸とあって飲むのがもったいなく感じられる高級感あふれる味わいです。 こちらも生詰の深くも洗練された味わいを前面に、バランスの良い香り、味わい、そして後味が「あぁさすが純米吟醸。あぁさすが飛露喜だなぁ」という感情を呼び起こしました。

美味いものの前では言葉はいらない、先ほどの純米大吟醸もそうですが、飛露喜はなんだか表現するのが難しい美味さ、病みつき感があるんですよね。なんでしょうか、これ。

画像参照元:初心者にもオススメ!安くて美味い日本酒10選

純米吟醸 山田穂

6真っ赤なラベルに浮かび上がるのは山田穂の文字。山田穂とは幻の酒米と呼ばれている酒米で、山田錦の母親に当たる酒造好適米です。背が高く育てにくいとされている山田錦よりもさらに背が高く、倒れやすいことから栽培にしづらいという理由もあり姿を消した山田穂でしたが、ここに山田穂を使った日本酒「飛露喜 純米吟醸 山田穂」が開発されたました。

他の飛露喜同様、なかなか手に入れることのできない純米吟醸で、山田穂の味わいを受け継いでいる山田錦同様、山田穂もフルーティな香りが特徴的です。飲んだ瞬間は「お、山田錦に近い!」と思いながらも、飲み進めるうちに「でもなんか違うなぁ」と、しまいには「結論、美味い」というところに行き着くまで飲み進めてしまいました。こちらも特有の酸味が舌に香る日本酒ですので、好き嫌いは分かれるかなぁと思います。もちろん私は(ry。

純米吟醸には山田穂の他に、「山田錦」「愛山」というラインナップがあります。それぞれ異なった味わいでどちらも言わずもがな美味しいのでぜひご賞味あれ。

画像参照元:あるこーるないと

吟醸 生詰

7真っ赤に燃える情熱の赤の次は爽やかにそよぐブルーのラベル「飛露喜 吟醸 生詰」です。4月から販売となるこちらの吟醸 生詰はラベル同様、飛露喜の中で最も軽快な口当たり、キレが楽しめる一本です。

春から夏にかけての爽やかな空のもと飲みたい一本ですが、私は夏が終わった今でもあの爽やかさを思い出してふと飲みたくなります。酸味、甘味、そして旨みがすっと入ってきてはすっと消えていく、そんな儚くもしっかりと味わいがあふれる飛露喜です。

画像参照元:大和屋酒舗

 

 

 

特別純米 無ろ過生原酒

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飛露喜の中でも最もスタンダード、これから飛露喜と初めて出会うという方におすすめなのはこちらの「飛露喜 特別純米無濾過」です。いや、もちろん本当に美味い酒が飲みたいというのであれば、上の大吟醸や吟醸を飲んでもらいたいんですが、なかなか手に入りづらく、日常飲みにはあまり向いていません。

普段日本酒を飲まない人でも美味しくいただける日常酒。とろっとした甘味、それでいてすっと透き通るマスカットのような酸味がまるで和を思わせるような味わいとなっています。これは無濾過でありかつ生原酒であり、そして飛露喜だからこそ生まれた味わいなんだろうと感じました。

画像参照元:酒処さつま

特別純米 かすみざけ

9飛露喜は本当にラベルの使い方がうまいなーと思うのが、ブルーの吟醸生詰は軽やかで爽やか、黒ラベルの純米吟醸は高級で淡麗、そしてこちらの茶色のラベル「飛露喜 かすみ酒 特別純米酒」は、お米であり甘栗のような渋みがある、まさにラベルで味が想像しやすいんですよね。

フレッシュであり、大人の苦味、それでいて時間が経つとだんだんと苦味が消えて酸味がピリリと香ってきます。寒い冬には持って来い12月発売の一本です。

画像参照元:酒呑親爺の酔って候

 

 

 

特別純米 生詰

10赤紫に輝く飛露喜の文字。こちらの「飛露喜 特別純米」は、飛露喜の中でも年中飲むことができる通年を通して楽しめる日本酒となっています。いわば、こちらの方が飛露喜のスタンダードな日本酒と言えますが、やはり私としては無濾過をスタンダードにおきたい。

上品な香り、味わいで飲み飽きない酒ではありますが、やはり他の飛露喜と比べると味が落ちてしまうのは否めません。飛露喜をいつでも飲めるようにそばに置いておきたいというかた、食中酒として日本酒を楽しみたいというかたはこちらをどうぞ!

画像参照元:もっきり

 

 

以上、福島は会津の生んだ日本酒、飛露喜についてでした。飛露喜は人気が高く、流通量も少ないため、現在手に入りづらいお酒となっています。お買い求めの際はお早目にどうぞ!


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