日本酒が終わる?これからの日本酒の基準「八海山」

日本酒が終わる?これからの日本酒の基準「八海山」


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常に日本酒ランキングの上位にランクインしている、八海醸造の「八海山」。

八海山は新潟県南魚沼市にそびえる標高1778m、日本200名山にも選ばれている山の名前で、同名の日本酒「八海山」は魚沼産コシヒカリでも有名な稲作地帯、そして澄んだ水と空気が豊富なこの土地の恩恵を受けて生まれれました。

現在、日本酒の種類はざっと2万種類ほどあるようですが、常にランキング上位を保ち続けているまさに日本が誇る日本酒の最高峰のひとつとなっています。

とは言いつつも、日本酒全体でみてみると最盛期から生産量は大幅に減っており、日本の文化でもある日本酒は衰退・消滅の危機に瀕していると八海醸造は言います。

八海山がなぜ高い評価を受けているのか、他の2万種のお酒にない魅力、美味しさについて確認していきながら、八海山が日本酒業界全体に及ぼす影響・志についてみていきましょう。

日本酒はオワコンだった?八海山の志

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昨今、美味しいものが簡単に手に入る時代になりました。コンビニ弁当もファーストフードも安価の割に普通に美味しい。

そのため、わざわざ高級レストランに行かなくても満足した食生活を送れていると感じることができます。

お酒についても同じことが言え、ビール一つとってもたくさんの種類と味、価格があり、自分の口にあったものを探すことができるようになりました。

その他、ワイン、カクテル、サワー、チューハイ、ウイスキー、焼酎……、挙げればキリがないほどたくさんの種類のお酒が簡単に手に入るようになりました。

 

いろんな味の中から自分の口に合ったものを探すことができる。これはとてもいいことなのですが、このような大量生産、大量消費の波に飲まれて衰退してしまう商品、産業もあります

日本酒もまさにそうです。日本酒全体でみると、ここ30年の間に消費量は徐々に減っており、現在最盛期の半分以下になってしまっています。

 

では、なぜ日本酒は時代に取り残されてしまったのか。

八海醸造はその原因を日本酒産業全体が安価で大量生産できる酒を作ってしまったから、それによって日本酒の品質が下がってしまったからと考えています。

日本酒とは本来、職人が一つ一つ丁寧に、時間をかけて作るものであり、そのためどうしても少量しか生産できず高額にならざるを得ない商品です。

それを無理に安価で大量生産しようとすると品質が落ちてしまうのも当然で、そのような美味しくないお酒を飲み続ければ日本酒のことが嫌いになってもおかしくない。

 

だからといって、希少で高級なものだけを造り、飲む人を選ぶようなお酒だけを造り続けても日本酒は滅びてしまう

この葛藤・危機感こそがまさに八海醸造が日本酒「八海山」を造るための志となり、このような状況を打破したい、質の良いものをたくさんの人に飲んでもらいたいとの考えから「八海山」は生まれました。

 

つまり、日本酒の新たなスタンダードは、八海山の志によって支えられていると言っても過言ではありません。

現在、私たちが高品質で美味しい日本酒を楽しめる状況、その担い手の一つが八海山なのです。では、その新たなスタンダードとは一体どういったものでしょうか。

常に上を目指せ!八海山の掲げる新しい日本酒醸造3か条

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日本酒の新時代、再興をかけて「日本酒の新たなスタンダード」を掲げている八海山ですが、その内容としては主に下の3つが挙げられます。

  • すべての普通酒を吟醸酒にする。
  • すべての吟醸酒は大吟醸酒(の品質)を目指す。
  • 大吟醸酒そのものの品質を高いものにする。

普通酒?吟醸酒?大吟醸酒?という方は、まず『味の違いはここを見れば分かる!日本酒の種類を見分ける方法とは?』を読んでいただきたいのですが、簡単に説明しますと、吟醸や大吟醸と名乗るためには米の削り率を表す「精米歩合」がある一定数を超える必要があります。

日本酒の原料である米ですが、日本酒を造る際、普段私たちが食べているような形のまま使用するわけではなく、お米の周りを削って中心部分だけを使用します。

お米は中心部分に甘いでんぷん質、周りに雑味のもととなるタンパク質があるため、できるだけ雑味が入らないように削らなければなりません。

この削って残ったお米の割合を精米歩合といいますが、精米歩合が50%以下で大吟醸、60%以下で吟醸、70%以下で本醸造を名乗ることができ、80%以上残っているものを普通酒といいます。

 

この精米歩合が高くなればなるほど、つまり残っているお米が少なくなればなるほど雑味がなくなるため美味しいお酒になるのですが、削る手間暇、そして米粒の使えるところが小さくなればなるほど、それだけたくさんのお米を使わなければならないので、ランクと同時に値段も上がるのです。

つまり、安い酒を大量に作ろうと思えば、大吟醸よりも普通酒を作るほうが合理的なわけです。

しかし、それこそが八海山の言う日本酒の衰退につながってしまいます。だからこそ、普通酒を吟醸に、吟醸を大吟醸に、そして大吟醸酒であれ今の品質に甘んじることなくもっといいお酒を造る努力をしなければならないと、八海山は謳っているのです。

普通酒だけど普通酒じゃない?八海山の日本酒飲み比べ

キャプチャ

画像参照元:八海山

このように、高品質の日本酒を造ることをモットーにしている八海醸造では、常時4つの日本酒と、それに加えて、季節限定、数量限定の八海山を多数揃えています。同じ八海山でも一つ一つこだわりやコンセプトが違うため、もちろん香りや味わいも全く異なってきます。

八海山を飲んでみたいけど、どの種類を飲んだらいいのか分からないという方、場面に合った日本酒が飲みたいという方はぜひチェックしてみてください。

清酒 八海山

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すべての普通酒を吟醸酒にすることを新しい日本酒のスタンダードに定めている八海山。

その八海山で最もポピュラーな日本酒ががこの「清酒 八海山」で、まぁ確かに美味しいんですが…、これ、普通酒なんですね……。

言ってることとやってることが違うじゃねぇか!

と私も一瞬目を疑ったのですが、安心してください!こちらの普通酒、ただの普通酒じゃないんです!

上記で普通酒は精米歩合80%以上と紹介しましたが、八海山の普通酒は精米歩合60%、つまり吟醸酒と同等の手間暇をかけて作られたこだわりの普通酒なんですね。

確かに普通酒の割にはすっきりと口当たりが軽くて、料理にもめちゃくちゃ合うので、いつまでも飽きずに飲めるお酒なんですよね。これが八海山クオリティの手を抜かない普通酒か!という印象のお酒でした。

画像参照元:さくらもと商店

特別本醸造 八海山

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普通の日本酒だったら、普通酒とか特別本醸造とか、あんまり飲みたいとは思わないんですよね。

でも八海山の特別本醸造は、先ほどの「清酒 八海山」と同様、ただの本醸造ではなく、精米歩合が55%と吟醸並みの特別本醸造なんで、普通に美味いし、安酒を飲んでいる感覚はないんですよね!

冷酒、熱燗、ぬる燗、どの温度で飲んでも旨みを損なわず、そればかりか、それぞれの温度によって違う香り、味わいが楽しめるのは特別本醸造だからこそできることですよね。二大酒米のひとつである五百万石を使っているのも私が好きな理由の一つです。

画像参照元:東京すごろく

吟醸 八海山

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普通酒、本醸造酒なのに吟醸酒並みの味わいを楽しめる八海山。同じように、「吟醸 八海山」も精米歩合50%と大吟醸酒並み、非常に上品な味わいが楽しめます。

吟醸 八海山は、二大酒米である山田錦五百万石の両方を使用して作られているという贅沢。

一口含むとまるでそこは雪に覆われた八海山。澄み切ったキレのある後味がたまらんとです!

画像参照元:Sweets.Fine.

純米吟醸 八海山

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純米吟醸も同じく、手を抜かない精米歩合50%と大吟醸並み

二大酒米に加えてこちらも評価の高い美山錦を掛米として使用しており、米、麹以外使用せずに作り上げた純米の特定呼称を持ったこちらは、米の旨みをこれでもか!!と言わんばかりに味わうことができます

なんでわたしの好きな酒米を網羅してくるんだよ!!という嬉しい悲鳴が上がっちゃいますね。

吟醸よりもちょっと贅沢に、特別な日に、特別なあの人と飲みたい一本ですね。

画像参照元:所長βlog

大吟醸 八海山

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精米歩合を40%まで極めた正真正銘の大吟醸酒

山田錦、美山錦の美味しいところだけを厳選して使用したこだわりの一本。精米歩合が高まったからか、米の雑味を全く感じず口の中でゆっーくりと柔らかさが広がります

ただ、大吟醸は数量限定商品なので気づいたら買い忘れてた!ということもしばしば。本当はこの黒光りする威風堂々たるボトルを右頬ですりすりしたいんですけど、仕方なく居酒屋でちびちびと……。

画像参照元:新潟都屋

純米大吟醸 八海山金剛心

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八海山の中でも最上級の品質と味を誇っているのが、こちらの八海山金剛心です。金剛心、つまり揺らぐことのないまっすぐな心、それを体現した深く充実感のある味わいが金剛心の魅力です。

山田錦の中でも特定A地区と言われる最高峰の酒米と、五百万石を絶妙な割合でブレンドし、それぞれの良さが最も際立つよう改良を加えて造られた一本。

魔法のポーションが入っているようなユニークかつデザイン性に優れた酒瓶に入っており、これまで日本酒を避けていた方でもつい手に取ってしまいたくなるような、プレゼントにも最適な日本酒となっています(誰か私にプレゼントしてく…)。

夏季限定品は6月下旬頃から、冬季限定品は11月下旬頃から販売となり、じっくりと2年間熟成させて作られることから数量限定となっています。数量限定と言われると無性に欲しくなる私です。

画像参照元:antonグダグダ備忘録

八海山しぼりたて原酒 越後で候

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普通、日本酒はもろみから搾ったものに、さらに水を加えて作りますが、この割水を加えないで搾ったままの日本酒のことを原酒といいます。

水で割っていないため、アルコール度数が高く、越後で候は八海山の中でも一番高い19.0%となっており、搾りたてならではの新鮮でかつ荒々しい飲みごたえを楽しむことができます。

日本酒大好きなんだけど、そんなにアルコールに強い方ではないんで、越後で候はちょっとだけ早く酔いが回るような気がします。

10月~3月の限定販売となっています。

画像参照元:居酒屋南蛮倉庫

特別純米原酒 八海山

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こちらも原酒となっていますが、17.5%とアルコール度数を抑えており、比較的飲みやすい原酒となっています。

長期低温発酵でゆっくり、じっくりと香りや気品を育て、さらに辛さを抑えたことで、深みがありつつ軽く味わうことができます。

6月~8月のみの季節限定商品で、暑い夏にキンキンに冷すとさらにおいしく味わうことができます。ここのところ我が家の夏のお供になってきています。

画像参照元:八海山

発泡にごり酒 八海山

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八海山の中で唯一の発泡酒であり、濁り酒である一本。

麹のかすを荒くこすことによって、米本来の味を楽しむことができるにごり酒、軽快に弾ける発泡酒、その良さを一本にまとめた八海山は食前酒として、濃厚な味付けの食事と一緒に、また食後のデザートとも楽しむことができるのが特徴です。

炭酸も甘いものも大好きなので、私にはたまらない日本酒です。数量限定で手に入りにくい一本となっています。

画像参照元:基本は酒のアテ

八海山 貴醸酒

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貴醸酒とは、仕込みの最終段階「留仕込み」の際に、通常水を加えて仕込むところにお酒を入れて仕込んだ日本酒のことをいいます。

(貴醸酒について、詳しくは『貴醸酒って知ってる?高級日本酒「貴醸酒」の味わい、美味しさの秘訣について』を参照下さい。)

熟成された深い味わいでありながらさわやかな口当たり、食後のデザートにバニラアイスにかけて……やばい!アイスが食いたい!

そして、うっすらと琥珀色に輝く日本酒にあった洗練されたシンプルな酒瓶、スタイリッシュ以外の何物でもない。

画像参照元:新潟都屋

以上、八海山の美味しさの秘訣、そして八海山が日本酒再興にかける思いを確認していきました。

どの企業、どの酒造も日本手にかける思いはそれぞれ違いますが、やはり評価されるものはそれ相応の思いと志、そして伝統や文化、歴史に甘んじないチャレンジがあるようです。日本酒は日本が誇る日本らしい文化の一つです。美味しいお酒を飲んで日本の文化を世界に発信していきましょう!


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